ミュージカル『四月は君の嘘』コンセプトアルバムの話

2020年買ってよかったものランキングTOP5に入りました。

ずっとリピートして聴いています。

好きなところをあげたらきりがないので、ひとまずたつなりくんが歌っている曲を中心に感想です。また、私は四月は君の嘘はアニメを途中抜けながら1回リアタイしただけなので曲の詳細な場面はあまり覚えてないところが多いと思います...。

 

時間よ、止まれ

アルバムを頭から聴いてたつなりくんの第一声で引き込まれた曲。高い方で推移していく声の使い方が好きすぎる。

たつなりくんの歌声は真っ直ぐで癖がないところが大好きなんですが、誰とでもハモれるってすごい強みだと思います。ハモりやすい声って需要ありますよね。それでいて無個性ではなくよく伸びて艶がある声で聴くたびに聴き惚れてしまいます。

ロミジュリやTOHO MISICAL LAB.で同じ作品に出たとはいえ、こんなにがっつりいくちゃんとハモるのは初めてです。いくちゃんの声はザ・ソプラノという感じで音程が高いという意味ではなく響きが明るめだと思うんですが、それにしっかり合わせてたつなりくんは上から糸でスッとつられて背筋が伸びるような歌い方で、響きで音程を合わせる感覚でした。

君を近くに感じたいの「ちく」と「んじたい」の「」が一気に明るくなって喉を解放している声なのが好きです。大切に発声していながら遠くの山にポーンと飛ばすような「んじたい」の柔らかい音の当て方。

「クロイツェル」の「ツェ」の音の立て方と「サン=サーンス」の「サー」の響きの明るさに恋してしまいました。以前からたつなりくんは「ポジション」を「ポディション」みたいな発音をしますが、「クロイツェル」はこれに似た現象みたい。さらに今回の特典映像で“sensitive”が「センシティブ」より「センスティブ」寄りになっていたのも似たようなものを感じました。

 

 

君が聞こえる

宇宙バラード。物語の終焉に宇宙にいるような、星に囲まれて宙に浮いているような浮遊感。布の端と端を合わせるみたいな丁寧で緻密だけどドラマチックで壮大な歌い方が好きです。

この曲はしっとりバラードですが、息のスピードを持続するためにも長い息で歌う必要がある中、たつなりくんは音の回収の仕方が素晴らしいなあと思いました。たつなりくんの歌の、ロングトーンの終わりにビブラートをわずかにかけながら余韻を残して去っていくところが好きです。音の密度が最後まで大きい感じ。

特典映像のレコーディングの様子で、「忘れない」と「僕の中に」の最後の伸ばしの切り方をマイクから顔を遠ざけて物理的にふわっと切るやり方をしていたのがプロっぽい!好き!と思いました。(プロですが......)ここが大好きで何回も見てしまいます。

もう1つ絶品だと思ったのが、「聞こえる君の声 彼女の温もり」のの伸ばしで1回抜いて彼女ので巻き直して温(ぬく)でまた抜いてもりはそれはそれは大事そうに置く歌い方で軽くビブラートをかけるところです。

またメロディ部分は結構高い音でロングトーンが続きますがカーンと鳴らしているなあと思ったので、木村達成高音選手権〜!

ということで、今までの出演作の最高音はどこだ?という検証を行ったところ(抜けがあったらすみません、というかたぶん間違ってると思う)、ミックスボイス部門はロミオ&ジュリエットの“綺麗は汚い”より「ロミオの持ちを掴むのは難しい」の「」(hiC)、ファルセット部門はプロデューサーズの“オネエで”より「楽しめるのがコメディ」の前の下がって上る音階の最高音(hiG)でした!たぶん間違ってると思うけど!ちなみにテニミュで出してた最高音はバクステでおふざけで歌ってたLet's get it on togetherの「世界への扉」のmid2Gisだと思います。目をぎゅっとつぶって絞り出して歌ってたのですごい進歩ですね笑

 

映画みたいに

対して比較的低音のこちら。たつなりくんの声の伸びのよさが出てますよね。

日の光が降り注ぐみたいなピアノのイントロで、それに続くたつなりくんの声もあったかい。

この曲の余韻の残し方が好きです。まるで(    )映画の(     )ワンシーンは空白のところが切れそうで切れずに余韻で繋がっている。余韻の後の次の言葉のスタートまでの繋ぎ目もきれい。強弱はついているけど言葉は消えない。

「僕には無理 まるで映画のワンシーン」の「」のロングトーンをギリギリまで引っ張って、1番盛り上がるところで「まるで」に入るところなんて好きなところが詰め込まれています。WOWOWの“僕らのミュージカル・ソング”で歌ったときもここはたつなりくんパートでしたが、あの表情を思い出すだけで切なくなってしまいます。

余談ですが、昔音楽の先生に「声の形は始め・中・終わりに分けられるけど、中はプロも素人も実は大して差はないが明らかな違いが出るのは始めと終わり。ここの処理をどうするかで上手いかそうでないかが分かれる。」と教えてもらったことがあります。

たつなりくんが抑揚をつけるときのストレートと引っ掛けて歌うところのバランスが絶妙だと思います。

 

Speed Of Sound〜カラフルに輝きながら〜

FNSでの発表よりもテンポが少しゆっくりになって、言葉を噛み締めてより丁寧に歌うような印象を受けました。

「彩られる 世界が 今旅に出ようよ」の高揚感がすごい。ハーモニー進行がディズニーチックでわくわくします。あと「彩」で1回デクレッシェンドで沈んでからどんどん広がるのも好き。

「今動き出す」の水田さんの歌い方がかっこいいです。小関くんもですけどアミューズの方ってみんなこんなおしゃれに歌うんですか?すごい!

それから女子チームの可愛さが半端ない。ALLのアンサンブルさんもすごくかっこいい!“The Beautiful Game”もアンサンブルさん大活躍ですね。音の厚みが増して一気にドラマチックになるので偉大だなあと思いました。

 

公生ソロはより拍を感じる歌い方に変わったなあと思います。音の引っ掛け方がよりポップスっぽい感じ。「を連れて」の「」はよくよく聴くと音の引っ掛けが凝縮されているみたいなんですがいい感じにおしゃれにポップスっぽくなっていて、なんだか新しい歌い方!と思いました。「新しい」の「しい」は短い音の中に響かせるビブラートのかけ方で、ロミジュリの“どうやって伝えよう”でも好きだなあと思った歌い方でした。

 

 

取り急ぎだったので数曲しか感想を言えませんでしたが、どの曲も大好きで、この素晴らしいキャストの皆さまでいつか公演できることを切に祈っています。

次のたつなりくんのミュージカルは何なのか気になるところですが、ファントムで伯爵役をやった次にCALLのドローン役、からのプロデューサーズカルメン・ギアだったので、もうどこから何が飛んでくるか分かりませんね笑

どんな新しい景色が見れるのか楽しみです!