ミュージカル『The Last 5 Years』を観た話

木村達成さん・村川絵梨さんペアを観劇しました。

たつなりくん...罪な男よ...

あんなたつなりくんやこんなたつなりくんがいっぱい詰まってて、「えっ?そんな...いいんですか??(ありがたくいただく)」みたいなミュージカルでした。

大好きな人が90分間ずっと舞台上にいて歌い続けてるのってこんなに幸せなことだったんだね。

 


ジェイミーとキャシーで時間が逆行していくから、公演を重ねていくうちに「こことここが対になってるのね!」「この台詞を受けてのこの台詞だ!」っていう発見があって書き残さなくちゃ!と思っても、次から次へとやってくる「うわ〜!これはずるいずるいずるい〜!!」って場面に流されて終演後には記憶がございません…ってなるのを繰り返していました。


 

2人のすれ違い

すれ違い・1

「救いはいらない ただ見守ってほしい」(M1 Still Hurting)

この言葉に集約されていると思う。2人のすれ違いはM1 Still Hurtingで実は答え合わせがあったのね。

ちょうどここでキャシーの後ろにたつなりくんジェイミーが登場なので、そちらに気を取られてこんな真理みたいな言葉を言ってると気づけたのが大阪初日だったのですが...。観ているこっちは「なんだ最初から核心をついてるじゃない!キャシーそれジェイミーに直接言った?」って口を挟みたくなりますけど…。

何回か登場する「救う」というワード、ジェイミーが言うたびに「救うとかじゃなくて!すでにちょっと上から目線だし!そう言ってる時点で対等じゃない!」ってキャシーの気持ちになってしまうのですが、ジェイミーはジェイミーで本気で救おうとしてるし、キャシーを信じる気持ちは真っ直ぐだし、家を去る直前まで「どうしたら君を救えたのか」って言ってるし......。どうやったら2人の気持ちは伝わったんだろう。

 

すれ違い・2

プロポーズ〜結婚式(M8 The Next Ten Minutes)

すごくロマンティックで愛に溢れていて大好きなシーン!曲も大好き!前奏が揺蕩う湖の水面みたいだし、キャシーがプロポーズに応える♪命捧げ 命育てからの盛り上がりも、2人のデュエットでパワーが溢れるところも好き。初日前に音源だけ聞いていたときよりも公演を観たらもっとこの曲が好きになったのは、たつなりさんと村川さんが本当に素敵だったから!

白タキシードのたつなりさんが暗がりに登場した瞬間から動悸が止まらない!白タキは正義!そしてボートで語りかけるように歌い始めるわけだけど、そこにはいないキャシーが見える!なんて大切に愛おしそうに歌うの...!

愛おしさが溢れる空間に泣きそうになる。たつなりくんの結婚式を見たらきっとこんな愛おしい気持ちになるんだろうなあ...という謎感情で泣いてた。

村川さんキャシーの白いドレスとこのときだけ濃い赤のリップも素敵で!ジェイミーが振り向いて、跪いて、手を取って、見つめ合って、軽々とお姫様抱っこして、デュエットが始まって...。どこを切り取っても美しい。泣きそう。

たつなりくんの♪今この愛を 誓うの言い方がやっっばい。1番この歌が好き。結婚式で流したい。(不吉か?)

あと♪人生をわけて 次の10分 まずは10分 わけてくれが「俺の人生半分やるからおまえの人生半分くれ!」なんよ〜!そんなん好きに決まってる〜!半分どころか全部あげるわよ〜!

2人が立ち上がった後の重低音が入ったメロディも好き。荘厳な雰囲気になってプロポーズから結婚式の場面になったんだってわかる。

とにかくたつなりくんが優しくて、声も甘いしキャシーに語りかける目線もたまらないし、手の甲でキャシーの頬を撫でるところも好き!

 

 

 

 

 

というのが大阪の前楽までの感想。そして千秋楽。やっと歌詞に注目できるようになったら......

ジェイミー「共に人生羽ばたきたい」

キャシー「共に人生支え合いたい」

ここってよくよく聞くとすれ違ってない...?と思ってしまった。

 

ジェイミーの「羽ばたきたい」は夢を目指して成功したいとか飛躍したいとか...。いわゆる“戦友”としてのパートナー。2人で勝利者になる。

対してキャシーは「支え合いたい」。「支えたい」でもなく「支え合いたい」。

でも実際の2人はどんどん成功して前進するジェイミーに対して「いつも私は遅れがちなの それでも必ず行く 信じて待っていて」のキャシー。

本当ならば並び立ってお互いの夢を追いたいはずなのにできないジレンマがある。

 

 

パンフレットのインタビューが刺さりました。「人間の中身が好きだから付き合ったのか、それともこの人が必ず活躍する人だから付き合ったのか」という質問に、演出の小林さんは「活躍できる人だから付き合った」と答えた。

活躍したいという思いはお互い同じでも、2人の間で少しずつズレがあるのかなあと思いました。

たつなりくんのジェイミーが実際に活躍しているのは“才能ある”からだけじゃなくて小説を愛しているからなのかな。M2 Shiksa Goddessの♪さあ 君のストーリー書こう〜!であまりにも楽しそうに書くから。たつなりくんのジェイミーは元からの才能と運だけで売れたんじゃなくて、小説家という仕事を愛しているから売れたんだと思わせる純粋さがあった。個人的には「愛車をピカピカに磨くみたいなバレー」とか、「テニスを始めた時、日が暮れるのも忘れて夢中にやったろ。どんなにやられても楽しくてしょうが無かった。あん時は誰しも天衣無縫なんだよ。」のイメージ。キャシーに惚れ込みながらも根本は小説を書くのを愛しているんだよね。

それに対して、キャシーはM12 I Can Do Better Than Thatで歌うように「今までとは違う人生」を求めて故郷から出てきた。そして女優という仕事に行きつき必死にオーディションを受け地方巡業している。

 

2人とも自分の夢に一生懸命なのは同じだけどルーツが違う。

 

でも、これはジェイミーの憎めないところでもあるんだけど、彼はルーツや結果で他人を評価しない人だと思う。頑張ると言ったら無条件に応援するし、純粋に信じる。

この残酷な純粋さがキャシーとの溝を深くしてしまったのだろうな。

 

 

ジェイミー「共に願いを」

キャシー「共に命を」

ジェイミー「今この愛を 誓う I Do」

願いと命。ここで思い出すのがM10 Climbing Uphillのオーディションでキャシーが脳内で思考を爆発させるところの「♪子どもができたら私たちどうなるの?」。キャシーの人生プランとどこまで行っても噛み合わない気がして「♪このままいったらこの2人どうなるの?」状態。

 

キャシーは夢に向かって純粋に突き進むジェイミーに惹かれたんだろうけど(実際に「羽ばたいてる」)、才能もあって仕事への情熱もある眩しすぎる彼にキャシーみたいな普通の人は近くにいて疲れちゃったんだろうな。隣に立って前に進むには輝きが強すぎてメンタルが焼き殺されたのかな。イカロスじゃないけど。その結果の「あなたは私を勝たせなくていい」。

 


ということに気づいたらエリザベートの“不幸の始まり”が頭の中で流れ始めて恐怖でした。

♪全ての不幸をここに始めよう 

結婚式から雲行きが怪しい。

最初は互いに愛を誓ってると思ってたんだけど、それだけじゃなくて、ここでもう価値観の違いが出ていてぞっとしました。

 


英語歌詞だとここまではっきり価値観が分かれてない気がするんですけど、日本語訳した人天才か?鬼畜!


余談ですがお互いの才能の輝きの強さにも負けずに10年後でも20年後でも(世界のどこにいても)切磋琢磨して同じ時を刻んで上を目指していけるストイックな関係ってもう日向と影山ぐらいじゃない?と思ってしまいました……。「普通の人」側にとって同じものを求められることがいかにつらいか。

 

誓い

ジェイミーの誓い

まず最初に登場する“誓い”はM1 Still Hurting

♪あなたの嘘 言い訳 あの誓いも 全てが ジェイミー 終わりね

ここの“誓い”、東京公演まではさらっと流してしまっていたんだけど、結婚の誓いってよりもこっちをキャシーは信じていたんじゃないかなと思ったのが、次に登場するM8 The Next Ten Minutesのジェイミーパートの最後、

♪離れはしない 誓うよ

 

離れはしないって自分から言っておいて離れるんじゃないよ!
結果的に離れないと言ったジェイミーの方から置き手紙をして離れてしまった。

 

キャシーの誓い

キャシーにも誓いに似た言葉がある。

M8 The Next Ten Minutesの

♪いつも私は 遅れがちなの それでも 必ず行く 信じて待っていて

共に夢を追いたいと願ったジェイミーにとってこんなにもらって心強い言葉はない。そして純粋に信じ続けた。それがキャシーには呪縛になっていく。「信じて」と愛するキャシーに言われたのだからジェイミーは信じ続けた。これがある意味ジェイミーにとってキャシーの誓い。

M3 See I'm Smilingの

♪壁を超え羽ばたくのーー! でも私は...!

が初日から心にくるものがあったのですが、時系列的にいうと4年目で、もしかしてキャシーは初めてジェイミーの前で弱音を吐いたのでは?弱音というか弱気な自分を見せたのがここだったのでは?

「でも私は...!」の村川さんキャシーがすごく人間味あふれていて大好きなんです。辛いシーンだけど。ジェイミーに「自分 自分 自分だけ!」と怒りのエネルギーをぶつけてツラに出てきて、「でも私は...!」で「言ってしまった...!」みたいな、自分で言って現実を突き詰められたような泣きそうな顔でしゃがみ込んで口を覆う。

「でも私は...!」には「あなたは小説を書けば大ヒット。自分の夢に順調に羽ばたいてるけど、私はそうじゃない。まだここで足踏みしている」が後に続くと思うのですが、強く振る舞っていた女性の脆さとか弱さとかがリアリティがあるなあと辛くなりました。

 

キャシーの2年間

M10 Climbing UphillとM5 I'm A Part of Thatの間の2年間でキャシーは心境の変化があったように見えます。

 

M10 Climbing Uphill(2年目)では、M6 The Schmuel Songでオーディションを勧められ、ガツガツとキャリアを積むために励むキャシー。

♪私は嫌 専業主婦 子どもと犬と過ごす日々

私は嫌 ハイヒール捨て ハンバーガーとドラマとワイドショー

これはヘビメタバンドのドラマーとデキ婚して「(キャシーが言うところの)ありきたりな幸せ」を手に入れた友人のことも入ってるよね。キャシー的にはバンドのドラマーがレコード屋に就職したってところも納得いかないポイントだったんだろうなと思いますが。

♪私はただ 才能がある 彼に寄り添うだけなんて嫌

いつも待ってる女にはならない

は、ジェイミーの才能に埋もれることなく、私は1人の人間として自分の夢を叶えるという決意の表れ。

 

それがM5 I'm A Part of That(4年目)のキャシーはちょっと違います。

♪そうよ 彼に合わせてる 彼の後ろを歩いて

そう それで構わない やり抜くと決めたから

 

観客はこっちの歌を先に聴くものだから、これがキャシーが求めていた本来の幸せであるかのようにも思わせてしまう。

そしてM10 Climbing Uphillで数十分後に観客は気づかされる。キャシーは自分を殺していた、と。

「やり抜く」と言っているのだからこの覚悟の前には何かしらの逡巡があったはず。

 

M5の村川さんキャシーは活躍するジェイミーを認め誇らしく思っていると同時に、この考えに至るまでの諦めや寂しさを感じさせる表情もしている。

♪そして私はその一部 一部でしょ から曲終わりに捌けて行くときの表情は言葉とは違う感情が見え隠れしていて侘しさがある。

 

専業主婦はいや!と言い切ったキャシーの、M5 I'm a Part of Thatでの「彼の後をついていく」という覚悟をジェイミーはわかってるか。ジェイミーを応援する中でキャシーには手放したものがあるとわかっているのか。

ジェイミーがその覚悟も分からずにM11 If I didn't Believe In Youで「僕の成功が君は辛いのか」「またオハイオに行ったことで自分に失望したの」「厳しすぎる現実に負けそうなのか」なんて言おうものなら、このやろー!!と思ってしまう。

でも、ジェイミーにちょっとだけ寄り添って考えると、それもこれもキャシーの「それでも必ず行く 信じて待っていて」の魔力なんだよね。あくまで純粋にキャシーを信じているから、ジェイミーからしたら、勝負を途中で投げ出されたみたいな感覚で、「僕のところまで来るって言ったじゃん。2人で羽ばたくって誓ったじゃん。君を救いたいのにそれすらも許してくれないんだね」(ルドルフの幻影「ママも僕を見捨てるんだね」)

 

ジェイミーは「手に入れたものもある(失ったものが大きい)」と言ったけどそれはキャシーだって同じ。

 

キャシーは自分がジェイミーの人生の一部になっていくことで1人の人間としての自分が消えていくことへの喪失感や焦りがあって、「私が思い描いていた人生ってこれでいいの?」という感情が曲終わりの表情だったのだろうなあと思いました。



 

ということで色々言ってきましたがここからは脳直な感想をバババッとまとめたいと思います。

 

M2 Shiksa Goddess

♪君こそが女神だとか♪生涯1人の僕の女神ーー!のときに祈るみたいに手を組んでお目目ぱちぱちしてるのが可愛すぎて「お前がな!」と思ってしまった。

冒頭低いところから歌い始めて徐々に上がっていくのも好き。

♪君を見た瞬間に息が止まったでハッとした動きになって、過呼吸になった後「ハア〜」ってため息つくのもかわいい。

♪へそにピアスいいじゃないかで狭い椅子の上でノリノリで体動かすのも好き。

 

M4 Moving Too Fast

♪摩訶不思議なimpression 全てMoving Too Fast

隠しきれないたつなりさんの英語力。

イケイケすぎて若いエネルギー放出しまくってる曲。こういう曲のたつなりくん無敵だなと思う。イケイケの中に愛嬌があるからずるいよね。

この曲も音域広いのに難なく歌い上げてるのすごい!

♪でも僕は違うの後、中盤のキャシーが出てくる直前の♪Oh〜は映画版と違うもっと高いアレンジしてるのめっちゃかっこいい!映画だとG〜A〜A〜GFなのがたつなりくんアレンジだとG〜C〜A〜GFかっこいい!

 

M6 The Schmuel Song

第一声の「あ〜」からして愉快。

腕時計の箱を机にひとまず置いて必ずポンポン大事そうに叩くのかわいい。

歌い始めと終わりのお辞儀やら♪ひと針縫う度ごとにのたつなりくんの手の動きが優雅で育ちの良さがここにも!!と思いました。

1人で舞台上にいてそこにいないキャシーに話しかけてんだけど、キャシーが客席の観客だったりピンクのスポットで表現されてたりその時々で違う中、ちゃんとキャシーがそこにいると思わせるたつなりさんの目のお芝居がすごく好きでした。

♪全てのステッチ正確でのたつなりくんのワルツステップかわいい。

♪ストップしようバイト生活って言ってるから2人の生活費はほとんどジェイミーが負担していたのかな?なんて考えると余計にキャシーは苦しかっただろうなと思いました。

 

M8 The Next Ten Minutes 

デュエットが終わってくるっと回る間にキャシーが指輪を外して時間が逆行しているのがなんとも細かい!

2人の時間が交わったのがほんの一瞬なんだなあと儚さも感じる。儚いゆえの美しさもあるんだろうな。

キャシーの♪でも私はで振り向いたときのたつなりくんのキャシーに見惚れた表情、そして感慨深げに跪くところ、愛しかない。

 

M9 A Miracle Would Happen/When You Come Home to Me 

大楽の♪かーえーるかーらーの声の太さ、艶、伸び...100点でしたね!!

たつなりくんのジェイミーは浮気をしてるからじゃなくて本当に仕事が終わらないから家に帰れないと思わせるジェイミーでした。

お酒のグラスを持って後ろにオケとやりとりするたつなりくんが好きでした。

そういえばオケの前の幕の開閉も物語と連動していて面白かったです。M1のピアノの序奏が始まると両方から幕が閉まるのが、「物語の始まり始まり」みたいで好きでした。

 

M11 If I Didn't Believe In You

ジェイミーはここでもキャシーに真正面から向き合おうとするんだけどそもそも根本がずれてるからなあ...。救うとか戦うとか。必死なんだけど必死の方向が違うから、ここでキャシーの殻は余計に頑なになるだろうなあ。今欲しい言葉はそれじゃないもの...。

いつだか忘れちゃったけど、大阪公演かな?「頼むよ」で口元に悲しい笑みを浮かべてたのが辛辛辛でした。

 

M13 Nobody Needs to Know 

いや〜〜......あの千秋楽観た後だと何も言えない.........。初日のジェイミーこのやろーから大楽に向かうにつれて「ジェイミー辛かったね、よしよし」って懐柔されていった私......。

この曲って同じ音域で同じメロディの繰り返しが多いから、旋律の起伏がない分感情の揺れを表現するの難しいと思って、下手するとただ単調な曲になりかねないと思うんですが、いや〜まんまとやられました。

 

たつなりさんの涙に弱いんですよ!!助けてください!!しかもあの人本当に辛いときに上を向いて泣くじゃないですか!!そして辛ければ辛いほど笑うの何なんでしょう!!

“““木村達成は上を見て泣く”””(岸辺露伴は動かない的な)

ハイステの「勝者と敗者」の「うちの連中は?」「......ちゃんと皆強い」とか、銀河鉄道の夜の「証明してくれる?」とか。


♪いいんだ 理解など 求めはしない wo〜wo〜の歌い方がいいです、とてもいい。

♪誰かを愛していたいを自分を抱きしめて歌うのが孤独感増してますよね。ジェイミーは愛に飢えていたというより、キャシーをあんなに想っていたのにこの気持ちが理解されないことへの悲しみが強く感じられました。今まで真摯に(浮気後だけど!!!!)「救おうと」していたジェイミーが諦めた瞬間だからこんなに虚しいんだ...。(浮気後だけど!!!!!!)

 

M14 Goodbye Until Tomorrow/I Could Never Rescue You

最後の曲のタイトルまで“I Could Never Rescue You”だからどこまでもすれ違ってるなあと思ってしまうのですが、あの絶望のジェイミーの後に初デート後の幸せオーラ溢れるキャシーが登場するのが余計に絶望感煽ってる。

5年間の後半ジェイミーを突き放していたのはどちらかというとキャシーのはずなのに、ここからM1に時間軸は進むのだと思うと、残されたキャシーの孤独が染みる。

キャシーはM3 See I'm Smilingで「この週末が2人の新しいスタートだね」と言ったけど、M3の時点でジェイミーは別れを覚悟していた。まだ関係が続くと思っていたのは突き放しがちだったキャシーというのが残された者の悲しみを強めていると思いました。

ジェイミーが「君はいつも僕との距離を測っていたね」って最後の最後に言うのが、遅いよ!わかってたなら何かしてよ!って思ってしまうけど、ジェイミーは最後まで「どうしたら君を救えたのか」って嘆いているし...。(そしてM1の「救いはいらない ただ見守ってほしい」にループする)

♪Goodbye 明日までで向き合って歩み寄っているように見えて実は目線は交錯しないのがこの2人の5年の象徴なのかな。

最後三拍子のピアノが鳴って、単音で終わるのが毎回好きでした。オーケストラがバーッとなって壮大に終わるんじゃなくてこじんまりとした最後なのがいい。「2人の人生の1ページが終わりました」って終わり方。

 

 

東京楽の挨拶でたつなりくんが「人生を考えさえられた作品だったからこそ、これから僕も色々考えたり表現していきたい」って言ってくれたのがうれしくて、“表現”ってのがいいよね。なんか、たつなりくんが役者さんのお仕事を楽しんでいるのを見るのが好きだなあって改めて思いました。

そして本人も言ってましたけど、このタイミングでThe Last 5 Yearsに出会えたことも運命的だと思います。

どの作品もだけど、“今”のたつなりくんにしかできないお芝居の積み重ねで“今”ができている。

その瞬間に立ち会えていることが喜びです。

 

L5Y中も次作のジャック・ザ・リッパーのお稽古が入ってとても忙しそうにしていましたが、次はどんな世界に連れていってくれるのかとても楽しみです!